ヘミセクション後3年目にダイレクトブリッジを修理した症例

 左下6番にヘミセクションを適応し、遠心根を支台としたカンチレバータイプのダイレクトブリッジを装着しました。3年目にポンティックが脱離したため、即日で修復した症例です。

 


 他の歯科医院にてインプラント治療の提案を受けた方です。近心根分岐部に広範囲のパーフォレーションを認めました。パーフォレーション部をMTAにて補修し、ダイレクトクラウンにて経過観察をしていましたが、腫脹と排膿を繰り返したため、ヘミセクションに切り替えました。

 前職での治療のため、治療前の写真およびレントゲン画像の掲載ができず申し訳ございません。


 ヘミセクション後1週間の経過観察です。厳しい状態であっても、ダイレクトクラウンを使用することで、歯冠修復が終わった後でも大掛かりな変更に対応可能です。

 


 通常のブリッジでは手前の35を削ってブリッジを装着しなければなりません。ダイレクトブリッジなら健全歯をまったく削らずに片持ちでブリッジを装着できます。

 

 さらに費用に関しても、ダイレクトクラウンの費用をダイレクトブリッジに補填可能です。支払った費用を無駄にしないで、次の治療に生かすことができます。

 

 この時は半年程度の回復期間を待って、ダイレクトブリッジを装着しました。回復期間を待たずに即日で装着することも可能です。

かぶせ物を入れた後でも大掛かりな変更ができることで、状態の悪い歯を残せる可能性が高くなります。

 


 3年経過後にポンティック脱離のため来院されました。硬い物が不意に当たってしまったそうです。

 デンタル上にて抜根部および残存する遠心根に大きな問題がなく、ヘミセクションは成功したと言えるでしょう。

患者さんも「痛みもなく、普通に生活できています。入れていることを忘れていました。インプラントにしなくて本当に良かった!」と言ってくれました。

 


 1時間程度で修理しました。何度も通院しないで、簡単に補修できることも、ダイレクトブリッジのメリットです。費用についても、補修の範囲で進めるため、最小限の負担に抑えることができます。

 

 

 人間は変化する生き物です。成長し老化します。現在の歯科医学の一番の問題点は変化を考えず、顎や歯を機械のように、変化しない前提で治療することにあります。変化しない前提のため、インプラントのように動かない硬い物で、ロボットのような状態にすることを理想とし、歯医者の自己満足で治療するのです。

 

 歯医者が考えた理想をトップダウンで治療することは、一定期間トラブルを後回しにできます。しかし、変化しない硬いものは人間の変化に対応できません。だから、インプラントが突然抜け落ちるトラブルや、重症の歯周病のように周りの骨を破壊するトラブルが頻発するのです。動かないものを排除しようと、体が拒絶している反応です。

 

 ダイレクト修復はその時に応じて柔軟に変化してくれます。無理が生じれば、骨や根に負担をかけないで、ダイレクト修復した部分が壊れます。壊れても簡単に修復可能であり、トラブルに応じて形態を変更できます。

かぶせ物が変化できるため、状態の悪い歯でも、だましだまし使い続ける治療が可能なのです。

 

・注意事項

症例写真は患者様の了解を得たうえで掲載しております。

無断複写・転載は一切認めておりません。